戦具から日常の器まで
武を飾る漆の美
2014年7月5日(土)ー2014年9月23日(火・祝)
様々な器物の防水、防湿、補強、そして加飾の重要な加工材、技法として漆が多用されるようになった歴史は古く、長く、総合工芸の華ともいえる武器・武具の変遷にもそれは如実に見てとれます。古墳時代(六、七世紀)の遺跡からは、漆塗りの弓や矢筒などが少からず出土し、奈良時代には、上代甲冑の鉄片や革札の残欠にも漆の痕跡が見られます。古式甲冑の完成期となる平安後期の大鎧となると、ことに顕著です。一枚一枚の小札に漆を重ねた盛上げ本小札が現われ、星兜の鉢にも分厚く漆がかけられて、防水、補強などの戦闘の具として必須の機能性を高めていきます。
漆の用は、機能面に留まりません。むしろ、時代が下るに従って、諸工芸の装飾技法としての活用はめざましく多様化し高度化します。その独自な完成度の高さ、美しさは中世末から近世にかけて海外にも知られるようになり、チャイナが陶磁器を指すように、ジャパンが漆工芸を指すまでに広がっていったようです。
開館時間 : | 午前10時‐午後5時 |
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休 館 日 : | 火曜日 |
入 館 料 : | 一般700円(600円)、大学・高校生400円(300円)、小・中学生200円(100円) ※( )内は、団体20名以上の場合 |