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公益財団法人島田美術館

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2020.06.1 Monday

真夜中の事件

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5月30日夜11時過ぎ。我家の玄関でこの青がえるを発見しました。どれだけ驚いたことか。これは事件だと思いました。なぜなら少しばかり長い話なのですが、いま当美術館に設置されているオブジェ「パラム」が熊本県立美術館に展示されていたころ、そのパイプ状の部分にアオガエルが住んでいたと言っていたのです。作者は山幸窯の山幸さん。そのオブジェが当館にきたのは、彼が余命宣告を受けた直後のことでした。彼はオブジェを設置しながら、この作品はアオガエルがきたらそれで完成なんだと言っていました。

 

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我が家の玄関のオブジェにタイトルがあるのかどうかは知りません。しかし即座に「あっ山幸さんだ」と思ってしまったんです。そして夜中の3時には、忽然と姿をくらましました。玄関は密室です。どこに行きようもありません。

 

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朝早くひょっとしたらパラムにいるかもと美術館の庭まで行ってみましたが、そこで遭遇すれば出来過ぎた話です。何度見に行ってもそこにはいませんでした。あれはどうしても山幸さんのように思えて仕方ないのです。

島田有子

 

その後のヤマコー展(山本幸一遺作展)


2020.04.21 Tuesday

コロナ禍のなかで今

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縁あって4月から館長に就きました。ごあいさつが遅くなりました。

 

いきなりの先制パンチを食らっています。相手は、ご存じ、世界を揺るがす新型コロナウイルスです。こやつのおかげで先の見えない休館を余儀なくされています。開催中の企画展「光秀の残映」は、2、3月のギャラリートークこそ好評でしたが、残りの計画は中止、または延期となりました。仕方ないとはいえ、残念なことです。

この美術館とのご縁は、30年ほど前、私が熊本日日新聞社文化部の記者として、ここでの展覧会などの取材に訪ねてからのことです。対応されるのはいつも、この美術館を開設した初代館長、島田真祐(しんすけ)さんでした。所蔵の企画展のことだけでなく、歴史、美術、文学、そして熊本の文化界のことまで、無知で不勉強な一記者を見下すことなく(内心は分かりませんが)いろんなことを教わりました。

一方、併設ギャラリーでは個展なども多く、おかげでたくさんの絵や人を知ることができました。宮崎静夫さん、板井栄雄さん、甲斐大策さん…鬼籍に入られた方々は今頃、別の世界で島田さんを交えて酒酌み交わし談論風発の日々でしょう。

古いものと新しいもの、対照的とも言える創造の世界が、広くもない同じ敷地の中に同居している、そんな不思議な空間を心地よく感じていました。

島田さんが2017年晩秋に亡くなり、その後任となった橋元俊樹さんは、島田さんと高校大学の同窓で、美術館開設のときからの〝伴走者〟でもありました。

そのあとが不肖私になります。器でないことは承知していますが、島田さんの熱い思いの埋まった土台の上に、さて何を積み上げることができるか、コロナ禍閉館中の靄の中で頭を巡らせています。ここに足を運べば、わくわくする作品や人に出合える、そんな場所になればと思っています。さて、そのためにはどうするか、が問題ですが。

昨年秋のラグビーワールドカップ日本大会。熊本での試合の応援にやって来たそれぞれの国のサポーターが、その合間にここにやって来ました。その人数の意外な多さは、宮本武蔵や五輪書が海外でもいかに受け入れられているかの証しでもありました。

島田さんは生前こうも言っていました。「この美術館は独自性をもったマイナーリーグである」。これからも熊本市の西の一隅から世界に向けて発信し続ける存在でありたいと思っています。

念じるはコロナ退散 新緑の木立ちの中を吹く風のあり

 

2020年(令和2年)4月            島田美術館館長 松下純一郎

2018.04.24 Tuesday

ブログ休止のお知らせ

諸事情によりブログを休止致します。

Facebookの方では、引き続き情報を発信しておりますので、以下のリンクよりご覧ください。

 

島田美術館Facebook

 

 

2017.12.29 Friday

歳末のごあいさつ

この地に小さな美術館が誕生して四十年が経ちました。

その周年の11月末日、島田真祐館長がこの世を去りました。

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館長旅立ちの日の紅葉はことのほか見事で、

設立と運営に力を尽くした歳月とこれからの館存続を願う思いを

色濃く映したように感じております。

 

当館にとって、かけがえのない大きな存在を失いましたが、

その設立趣意と遺志を継ぎ、いにしへぶりに対座する場として、

永く語りかけることに務める所存でございます。

今後ともなお一層のお力添えを賜りたく、お願い申し上げます。

 

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みなさまにおかれましてはどうぞ

健やかなる新春をお迎えになられますよう お祈りいたします。

本館展示:おもかげものがたり

ギャラリー:田上允克 展

 

1月5日(金)より開館いたします。