開館時間 : | 午前10:00〜午後5:00(入場は4:30まで) |
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休 館 日 : | 火曜日(但し祝祭日の場合は開館) |
入 館 料 : | 一般700円(600円)、大学・高校生400円(300円)、小・中学生200円(100円) ※( )内は、団体20名以上の場合 |
会期:2017年7月5日~9月18日
戦闘者である武家の装いの基調は、いうまでもなく戦衣(甲冑)にあります。第一に戦闘時の機能性の重視、加えるに戦場で己れを鼓舞し、また敵、味方に対して武功を印象づけるための自己主張。甲冑の威毛(おどしげ)、鎧直垂(ひたたれ)や具足下着、陣羽織や馬験(ばけん・うまじるし)・指物(さしもの)・兜の立物などに見られる素朴で大胆な染織や装飾の特色は、その二つの要素を抜きにしては考えられません。それは、公家的な雅に対する新興の階級・集団としての革新的な自己主張でもありました。鎌倉・室町期は、それでもまだ平安期の公家的な美意識を引きずっていました。ところが、応仁の乱あたりから顕著になる下剋上の風、引き続く戦国乱世の中で前代までの遺風はほぼ完全に払拭され、さらに桃山期から江戸前期にかけ、いわゆる南蛮風の外来文物をも積極的に吸収しながら、武家の装いは時代を主張する奇をも加えた多様な形式と斬新な意匠を生み出していきます。太刀から打刀へ、長刀から槍へ、弓から鉄砲へに象徴される武器の変容への防具としての機能上の対応が、大鎧、腹巻、胴丸から当世具足への変化(進化)を決定したことは言うまでもありません。
主な展示品
※会場の都合により、期間中若干の展示替えを行います
- 黒革威大鎧 (平安後期様式・製作江戸時代後期)
- 紺糸威胴丸 兜•大袖添 (室町時代後期様式・製作江戸時代後期)
- 紺糸威腹巻 兜•袖•背板添 (室町時代後期様式・製作江戸時代後期)
- 黒革胸紅白糸威腹巻 (室町時代後期様式・製作江戸時代後期)
- 紺裾濃腹当 伝細川幽斎所用 (室町時代後期様式・製作桃山時代)
- 鉄錆胴横矧腹当 (室町時代後期様式・製作江戸時代後期)
- 金小札縫延緋威具足 (桃山時代)
- 紺糸威鋲綴桶側二枚胴具足 (江戸時代前期)
- 紺糸威黒塗五枚胴具足 (江戸時代前期)
- 黒革包紺糸射向赤丸胴具足 (江戸時代前期)
- 萌黄糸威二枚胴具足 (江戸時代中期)
- 矢筈頭札朽葉糸威二枚胴具足 (江戸時代中期)
- 太刀 無銘 則長
- 刀 無銘 貞宗
- 大身鑓 銘 九州肥後國同田貫又八
- 大身鑓 銘 氏貞
- 長巻
- 九曜紋金具袋薙刀
- 朱塗重藤軍弓
- 火縄銃
- 堀川夜討絵巻(江戸時代後期・模本二巻・筆者不詳)
- 単騎要略 披甲弁(村井昌弘著 享保14年(1729)刊)
- 本朝軍器考集古図説(新井白石著 元文5年(1740)刊)
- 甲冑着用図 (版木 岩下羆 復刻版 大正4年刊行)