2020.06.1 Monday
5月30日夜11時過ぎ。我家の玄関でこの青がえるを発見しました。どれだけ驚いたことか。これは事件だと思いました。なぜなら少しばかり長い話なのですが、いま当美術館に設置されているオブジェ「パラム」が熊本県立美術館に展示されていたころ、そのパイプ状の部分にアオガエルが住んでいたと言っていたのです。作者は山幸窯の山幸さん。そのオブジェが当館にきたのは、彼が余命宣告を受けた直後のことでした。彼はオブジェを設置しながら、この作品はアオガエルがきたらそれで完成なんだと言っていました。
我が家の玄関のオブジェにタイトルがあるのかどうかは知りません。しかし即座に「あっ山幸さんだ」と思ってしまったんです。そして夜中の3時には、忽然と姿をくらましました。玄関は密室です。どこに行きようもありません。
朝早くひょっとしたらパラムにいるかもと美術館の庭まで行ってみましたが、そこで遭遇すれば出来過ぎた話です。何度見に行ってもそこにはいませんでした。あれはどうしても山幸さんのように思えて仕方ないのです。
島田有子